「ちきりんさんの『マーケット感覚を身につけよう』を読んだので、つらつらと要約と感想を書いてみたいと思います!」
この記事を読んでわかることは以下の通り。
- 『マーケット感覚を身につけよう』の要約
- 『マーケット感覚を身につけよう』を読んだ感想
この本を読むことで得られる知識は以下の3つ。
- マーケット感覚とは何か
- なぜマーケット感覚が必要なのか
- マーケット感覚を身につける方法
これからの時代、楽しく生きていくためには、必読の本です。
それでは早速はじめていきましょう♪
スポンサードサーチ『マーケット感覚を身につけよう』の要約
『マーケット感覚を身につけよう』の「ページ数」「読み終わるまでにかかる時間」「内容の読みやすさ」は以下の通りです。
ページ数 | 263ページ |
読み終わるまでにかかる時間 | 約3時間 |
内容の読みやすさ | 非常に読みやすい |
『マーケット感覚を身につけよう』の目次は以下の通り。各章について、要約を書いていきます。
- 序 もうひとつの能力
1 市場と価値とマーケット感覚
2 市場化する社会
3 マーケット感覚で変わる世の中の見え方
4 すべては「価値」から始まる
5 マーケット感覚を鍛える5つの方法
終 変わらなければ替えられる
序 もうひとつの能力
何か物事について考えるときに2つの方法があります。
1つは論理的に考える方法。もう一つはマーケット感覚で考える方法です。
具体例をあげてみましょう。「ANAの競合は何か?」を考えたとき、あなたなら何を思い浮かべますか?
論理的に考える場合
論理的に考える方法は、以下のような感じ。
- 国際線 ⇒ JAL、格安航空
- 国内線 ⇒ 新幹線、深夜バス
- 貨物便 ⇒ 船、トラック
上記の通り、ANAの事業を分解して、一歩一歩順を追って論理的に洗い出します。
マーケット感覚で考える場合
マーケット感覚の場合どうなるでしょうか?
以下のようにリアルな現場をイメージして考えます。
とある大企業の東京オフィスで、海外部門を統括する部長が、売上低迷のため、海外支店の支店長を集めて、緊急で対策会議をすることになった。
海外支店の支店長を東京の本部へ招集しようとしたが、飛行機の利用は出張費がバカにならないので断念。そこで閃いたのが“テレビ会議”。
テレビ会議ならそもそも出張せずに、海外支店の支店長と集めて会議することが可能。
部長は早速テレビ会議の手配を始める…
上記の通り。ANAの顧客となる可能性のあった部長は、飛行機での出張を断念してテレビ会議を選択しました。
となると、テレビ会議を担っている通信システムもANAの競合になりますよね。
こんな感じで、マーケット感覚で物事を考える場合は、よりリアルな現場をイメージして考えます。
マーケット感覚を別の言葉にすると、
商品やサービスが売買されている現場の、リアルな状況を想像できる能力
と言えます。
1 市場と価値とマーケット感覚
この章では「市場」「価値」の説明と「マーケット感覚」とは何かについて説明してくれています。
「市場=マーケット」となんでしょうか?
「不特定多数の買い手(需要者)と不特定多数の売り手(供給者)が、お互いのニーズを満たしてくれる相手とマッチングされ、価値を交換する場所」
と定義されます。難しいので、具体例を見ていきましょう。
就活市場では、仕事を探している不特定多数の求職者と、働き手を探している不特定多数の企業が、労働力と賃金を交換すべくマッチングされます。
婚活市場では、結婚したい不特定多数の男性と、結婚したい不特定多数の女性が、お互いの価値を交換すべくマッチングされます。
いかがですか?なんとなくイメージが付きますよね。
「え、そんなものも市場なの?」と思うかもしれませんが、
「不特定多数の書いて(需要者)と不特定多数の売り手(供給者)が、お互いのニーズを満たしてくれる相手とマッチングされ、価値を交換する場所」
上記の定義を満たすものはすべて市場です。
「価値」とは何でしょうか?
「これ!」という定義が難しいので、具体例で説明します。
自動車の価値はなんでしょうか?
- 歩くには遠すぎる距離を、楽に移動できる価値
- 持って運ぶには重すぎる荷物を、簡単に運搬できる価値
確かに上記も自動車の価値と言えるでしょう。しかし、フェラーリやジャガーを買う人は、上記の価値を求めているでしょうか?
違いますよね。フェラーリやジャガーを買う人は、
- 豊かに見えるという価値
- 女の子をデートに誘いやすくなるという価値
上記のような価値を求めていますよね。
このように、市場では、自動車というモノを売っているのではなく、何らかの「価値」を売っていると言えます。
市場で売られているものの価値を理解する能力=マーケット感覚
自動車の例のように、身の回りの市場を見たときに、そこで売られている価値は何なのかを理解できる能力が「マーケット感覚」です。
2 市場化する社会
この章ではマーケット感覚が必要な理由について、社会全体が市場化しているためと言っています。
就活を例に、社会の市場化を説明します。
昔は相対取引だった
昔の就活は、企業と求職者が、学校の先生や親戚など、個別のコネクションを通じてマッチングされていました。いわゆる「コネ採用」が主流でした。
※このように自分で取引相手を探して、個別に条件交換をして取引する方法を相対取引といいます。
今は市場取引になった
インターネットの登場により、就活は相対取引から市場取引に変わりました。
リクルートやマイナビが、インターネットを利用した応募システムを開発。
このシステムを使えば、先生の推薦や親戚のツテがなくても、誰でもどこでも応募可能に。
企業側も全国の学生から応募を募ることが可能になりました。
これが就活の市場化であり、社会の市場化の一例になります。
ネットの普及により市場化が加速する
日本社会は、いまだに世界の中で最も非市場的と言われています。
しかし、インターネットの普及により、海外の企業や人と取引する機会が強制的に増えていくため、
「これからの社会は、どんどん市場化していく。それを避けることは、もはや不可能だ」
ということを自覚する必要があります。
3 マーケット感覚で変わる世の中の見え方
マーケット感覚が身につくと、世の中の見え方が変わります。
具体例を見ていきましょう。
英語よりもインドネシア語を学習した方いい
まさに「え!?」と思いますよね。
普通に考えたら、英語を学ぶべきと考えてしまいます。しかし、マーケット感覚をフル活用すると、インドネシア語を学習した方がいいという結論に。
昔までは、英語のできる日本人が、アメリカ人やイギリス人と仕事を奪い合っていました。
しかし、単価の高い英語ができる日本人よりも、単価も安く英語もできるインド人、フィリピン人を採用するケースが増えてきたため、高いコストをかけて英語を勉強してもリターンを得られる可能性が低くなってきたのです。
そこで、マーケット感覚をフル活用すると、もっと供給の少ない言語を学ぶべきという結論になります。
例えば、インドネシアの人口は2億5千万人と、日本の人口の2倍以上で、多くの日本企業がインドネシアに注目しています。
将来、ビジネスなどで来日するインドネシア人が増えるならば、インドネシア人向けの旅行会社や留学、就職サポートなどのビジネスには、大きな可能性が出てきます。
こう考えると、インドネシア語を覚えた方が、英語を覚えるよりも、安定した職業につながると思いませんか?
4 すべては「価値」から始まる
新たな市場の創造は「価値」を見つけることから始まります。
もともと存在していたモノの中に新たな価値が見いだされた具体例を見ていきましょう。
「選んでもらう」という価値
北海道の砂川市にある“いわた書店”という小さな本屋さんが、「あなたに合う本を1万円分、選んでお送ります!」というサービスを始めたところ、全国から注文が発生しました。
本なんて売っても儲からない時代なのにです。
“いわた書店”は、本そのものではなく「本を選んであげること」という価値を見つけ、商品にしたわけです。
普通の人でも「売れる価値」を持っている
「どんな不満でも買い取ります!」というビジネスを始めた不満買取センターという会社。
- レストランのテーブルが小さくて不満
- 折り畳みの傘を入れるビニールに、傘が入れにくくて不満
上記のような不満を1つ10円で買い取ります。
購入された不満は分類され、興味のある企業へ1つ5円で販売されます。
買った値段よりも安く売っても儲かるのは10円で買った不満を複数の企業へ売ることができるから。
レストランやホテルなどの小売業が、その不満を買って、自社の業務改善に役立てています。
この事例は、「ごく普通の人が何を考えているのか」という情報にも価値があることを教えてくれていますよね。
5 マーケット感覚を鍛える5つの方法
この章ではマーケット感覚を鍛えるための方法が5つ紹介されています。
- その1 プライシング能力を身につける
その2 インセンティブシステムを理解する
その3 市場に評価される方法を学ぶ
その4 失敗と成功の関係を理解する
その5 市場性の高い環境に身に置く
その1 プライシング能力を身につける
「プライシング=値付け」です。
つまり、自分独自の基準だけで、価値に値段をつける能力を身につけましょう。
日々の食事をするたび、洋服や家電を買うたび、何らかのサービスを受けるたびに、ついている値段は一旦忘れ、「この商品、このサービスは自分にとっての価値はいくらなのか?」と考える癖をつけましょう。
また、オークションサイトなどに出品し、実際にプライシング(値付け)をして練習してみるのも、いい方法です。
このように、日々の生活のなかで積極的に市場と関わりを持つことにより、マーケット感覚が身につきます。
その2 インセンティブシステムを理解する
インセンティブとは馬の目の前につり下げられたニンジンのこと。
インセンティブシステムとは、「ニンジンを目の前につり下げていれば、馬はそれを食べたいがために、走り始める」という、動機から言動に至る仕組みのことです。
インセンティブシステムを理解するために大切なのは、自分の欲望に素直になること。
日頃から「こういうことがやりたい。でも、どうせできない」「あれを手に入れたい。でも、どうせ手に入らない」と考えていると、自分の欲しいものが分からなくなってしまいますよね。
自分のほしいものがわからなくなってしまうと、他の人が欲しいものを理解するのも難しくなってしまいます。
他の人が欲しいものを理解をできないのに、マーケット感覚が身につくわけありませんよね。
例えば、食器洗浄機という商品は、「皿洗いがしたくない」という身勝手なワガママをちゃんと声に出して言った結果、市場に出てきたのです。
その3 市場に評価される方法を学ぶ
今までは組織に選ばれ、評価されることを目指す人が多かったですが、今後は市場に選ばれ、市場から評価されることを目指す人が増えていきます。
つまり、「組織」と「市場」の評価方法の違いを理解し、「市場」に評価される方法を学ぶ必要がでてきたのです。
- 組織による評価:上司に評価される
- 市場による評価:不特定多数の顧客(市場)に評価される
上記のように、評価される対象が異なります。
市場に評価される方法を学ぶには、「やってみて、後で決める」を繰り返すこと。
例えば、ブログを書いてみて、市場の評価を確認して、評価が悪ければ改善する、を繰り返すといった感じです。
その4 失敗と成功の関係を理解する
失敗と正解の関係を正しく理解しましょう。
あなたは何かのチャレンジの結果、「失敗」か「成功」の2択しかないと思っていませんか?
それは大きな間違いです。正しくは以下の通り。
チャレンジ
↓
失敗で学ぶ
↓
学びを踏まえてチャレンジ
↓
失敗で学ぶ
↓
学びを踏まえてチャレンジ
↓
成功!
つまり、失敗と成功に分かれるのではなく、失敗とは、スタート地点から成功までの途中に存在する学びの機会なのです。
失敗と正解の関係を正しく理解できたら、後は、チャレンジと失敗を繰り返してたくさん学びましょう!
その5 市場性の高い環境に身に置く
意識的に、市場性の高い環境に身を置きましょう。
市場性の高い環境とは、以下の通り。
- 需要者と供給者が価値を交換する現場
- 人間のインセンティブシステムが直接的に働く場所
- 組織的な意思決定ではなく、市場的な意思決定方法が採用されている環境
例えば、コンビニでアルバイトをすると、客が財布からお金を出す瞬間=価値の交換が行われる現場を目の前で見ることができます。
SNSでも、知り合い間でのやり取りしかないフェイスブックやLINEではなく、ブログやツイッターなどの不特定多数の発信者と受信者を結びつける、市場性の高いSNSを使って、マーケット感覚を鍛えましょう。
このように、世の中には、市場性の高い場所があるので、意図的に市場性の高い場所を選んでいくべきなのです。
終 変わらなければ替えられる
「変化する=安定しない」という考えの人がいますが、変化し続けないと、淘汰されてしまいます。
「変化し続ける=安定する」が正しいのです。
当たり前の話ですが、人類誕生以来なんの変化もなければ、私たちはまだ石器時代に暮らしていますよ。
私たちは変化することで成長してきました。さまざまな失敗を繰り返しながら、そこから学び、自分を変えていくことでしか、「よりよい自分」に近づくことはできません。
具体例として、羽田空港が国際線を扱うようになったお話をします。
成田空港を関西唯一の国際空港にすると政府は決めました。
しかし、地方から、いちいち成田空港まで行くのは単純に面倒で、「羽田空港も国際線を扱ってくれ!」とたくさんの要望があがりましたが、政府は無視し続けました。
変化を恐れたのです。
この問題を解決したのは、なんとお隣の韓国でした。
韓国がインチョン国際空港を作ったところ、日本の地方の人たちは、国際線を使いたい場合は、成田空港ではなく、インチョン国際空港を使うようになったのです。
日本政府は、韓国に利益は取られまいと、あわてて羽田空港も国際線も扱うようにしました。
この例からわかるように、「変化する=安定しない」ではなく、変化しないと淘汰されてしまうのです。
「変化すること=怖い、安定しない」と思いがちですが、「変化すること=楽しいこと」と思わせてくれるのが、「マーケット感覚」なのです。
『マーケット感覚を身につけよう』を読んだ感想
ここからは、私が『マーケット感覚を身につけよう」を読んだ感想を書いていきます。
この本を読んでわかること、として以下をあげました。
- マーケット感覚とは何か
- なぜマーケット感覚が必要なのか
- マーケット感覚を身につける方法
実際に読んでみて私は以下のように理解しました。
マーケット感覚とは何か
モノやサービスの価値を正確に直感的に理解する能力と理解しました。
また、「マーケット感覚」は以下の特性を持っています。
- これからの時代で豊かに生きていくために必須の感覚
- 学校や会社では身につけることができないもの
- 天性的なものではなく訓練すれば身につくスキル
なぜマーケット感覚が必要なのか
「マーケット感覚」が必要な理由は以下の3つ。
- 社会全体が市場化(マーケット化)しているから
- マーケット感覚を持つことによって世の中に存在する市場を認識することができるから
- 市場を創造するためには「潜在的な価値に気付く能力(マーケット感覚)」が必要だから
マーケット感覚を身につける方法
この本では、マーケット感覚を身につける方法として、5つ紹介していましたが、私が実際に実践していきたいのは、以下の3つ。
- 市場に評価される方法を学ぶ(ブログで発信し続ける)
- 失敗と成功の関係を理解する(ブログで発信し続ける)
- 市場性の高い市場に身を置く(ブログで発信し続ける)
上記の通り。ブログで発信続ければ、マーケット感覚が自然に身につくのでは?と思っております。(笑)
ちょっと不満な点
かなり有益な本でしたが、1点だけ不満な点をあげるなら、マーケット感覚を身につける方法について、手軽にできる具体的な方法論が書いていないこと。
結局のところ、「マーケット感覚」はこれからの時代、必須になるから、「マーケット感覚」を身につけるために、失敗を恐れず、いろいろチャレンジしよう!
ということをこの本は言っているのですが、事例が壮大なものが多いので、手軽にチャレンジできる具体的な内容は書いていなかったです。
私が思いついた「マーケット感覚」を身につける手軽なチャレンジは、以下の通り。
- ブログを始めてみる
- YouTubeを始めてみる
特にブログは1,000円くらいで始めることができるのでオススメです。詳しくは以下をどうぞ。
こんな人に薦めたい
正直、全社会人に読ませたいですね。(笑)
私のようなサラリーマンが読んだら、会社で働くという、変化のない仕事に危機感を持つと思います。
また、フリーランスや副業をやっている人が読んだら、自分の市場価値を高める意欲が出てくると思います。
さいごに
というわけで、今回は、ちきりんさんの『マーケット感覚を身につけよう』を読んだので、つらつらと要約と感想を書いてみました。
この本を読めば、あなたもこれからの時代を楽しく生きていくことができますよ。
もし、お金がなくて読めないという場合は、図書館でも借りれると思いますので、探してみてください♪
以上です。