システムエンジニアの会社選びに悩んでいる人「システムエンジニアになりたいと思っている。システムエンジニアの会社の中には超ブラック企業がいると聞いたことがある。会社選びに失敗してくないので、具体的にどういった会社を選ぶべきか教えてほしい。できれば現役システムエンジニアに教えてほしい」
こういった疑問にお答えします。
この記事を書いている私はシステムエンジニアとして9年くらい働いています。さすがに9年働いているといろいろなシステムエンジニアの会社の方と接する機会があります。
今まで10社以上のシステムエンジニアの会社の方と一緒に仕事をしてきた結果、危険な会社の傾向がわかってきました。
システムエンジニアになろうと思っている人でも、IT業界に詳しくないと、どんな会社が危険かなんてわかりませんよね。
そこで今回は、システムエンジニア会社選びに悩んでいる人向けに、現役システムエンジニアの私が、システムエンジニアの会社の選び方について解説します。
まずはシステムエンジニアの会社の種類を説明して、そのあとに絶対に選んではいけない会社とオススメの会社について解説していきます。
3分くらいで読み終わるのでお付き合いください。
それでは以下の順番で進めていきます。
- システムエンジニアの会社(SIer)の種類
- 絶対に選んではいけないシステムエンジニアの会社
- オススメのシステムエンジニアの会社
システムエンジニアの会社(SIer)の種類
システムエンジニアの会社(SIer)は、他社で使うシステムを受託して代わりに開発するのが仕事です。システムエンジニアの会社(SIer)の種類は大きく分けて下記の3つあります。ざっくり解説しますね。
- ユーザー系
- メーカー系
- 独立系
ユーザー系
ユーザー系とは、金融・電力・保険・商社などの会社のシステム部門が、子会社として独立した会社です。親会社が必ずいます。
仕事内容は「親会社向けのシステム開発をする」「親会社と同じ業界向けのシステム開発をする」が多いです。一次受け開発が一番多いです。
例えば下記のような会社です。括弧内は親会社名です。
- 野村総合研究所(野村證券)
- みずほ情報総研(みずほ銀行)
- 電通国際情報サービス(電通)
- NTTデータ(NTT)
メーカー系
メーカー系とは、コンピューターメーカーやハードウェアメーカーの情報処理部門やソフトウェア開発部門などから独立した会社です。
仕事内容は「ハードウェアを売るのと一緒にシステム開発もする」が多いです。一次受け開発もありますが、ユーザー系よりは少ないです。
例えば下記のような会社です。括弧内はメーカー名です。
- 日立ソリューションズ(日立)
- NECソリューションイノベータ(NEC)
- 富士通エフサスシステムズ(富士通)
独立系
独立系とは、親会社がなく独自に経営している会社です。システムエンジニア業界で一番数が多いのが独立系です。
仕事内容は「ユーザー系、メーカー系の下でバリバリ、システム開発する」です。客先に常駐して働くことがメインになります。
例えば下記のような会社です。
- 富士ソフト
- TIS
- インテック
- オービック
システムエンジニアの会社(SIer)の種類についてざっくり解説しました。それでは次は絶対に選んではいけない会社についてお話しします。
絶対に選んではいけないシステムエンジニアの会社
システムエンジニアとして9年ほど働いた結果、絶対に選んではいけないシステムエンジニアの会社は、ズバリ「自社サービス・製品を持っていない独立系」です。(該当する会社で働いている人すみません・・・)
選んではいけない理由はたった一つ、客先常駐がメインだからです。
客先常駐だけは本当にやめた方が良いです。その理由について解説していきます。
客先と同じ勤務体系を強いられる
独立系の会社の勤務体系を見て、あなたがその会社に入ったとしても、客先常駐になると、客先の勤務体系を強いられます。
例えば、独立系の会社が「9:00~17:00(休憩1時間)」の勤務時間で7時間労働が気に入り、入社を決めたとしても、常駐先が「9:00~18:00(休憩1時間)」の勤務時間であれば、常駐先の勤務時間に合わせる必要があります。
特に銀行のシステム部などに常駐するとなると、7時半出社とかになるので注意してください。
客先で仕事が終わった後に本社に戻らないといけない場合がある
客先で仕事が終わったのに、その後本社に戻って打ち合わせが待っていたりする場合があります。
基本的に客先常駐の契約は「毎月最低160時間働く」みたいな契約が多いです。この160時間の中に、独立系の会社の自社としての作業は含まれていません。
つまり、必然的に「客先での労働時間 + 本社での労働時間」となるので、残業が多くなる傾向になります。
適正に評価されない
客先で主に働くことになるので、例えば、上司と一緒ではなく一人で客先常駐となった場合は、あなたが具体的にどんな仕事をしているかは、本社の人は誰も知らない状態になります。
具体的な仕事内容がわからないので、本社も適正に評価できるはずもありません。
言われたことしかできない人間になりやすい
客先常駐でやる仕事のほとんどが、常駐先の人(あなたを雇った人)に言われたことを言われた通りにやる仕事です。
そのため、言われたことしかできない人間になりやすいです。
良い職場に恵まれるかは完全に運
中には良い職場もありますが、良い職場に恵まれるかは完全に運です。
客先常駐の場合は、自分が行きたい職場に行けることはほとんどありません。基本的に大手のシステムエンジニアの会社が人が足りないから、独立系の会社から人を雇う場合がほとんどです。
そのため、自分が極めたいプログラミング言語やIT技術があったとしても、あなたに職場を選ぶ権利はありません。
というわけで「独立系」は客先常駐となる場合が多いので絶対に選ばないようにしましょう。
補足:客先常駐の良いところは様々な職場を経験できること
ここまで独立系(客先常駐)の悪い面しか話してきませんでしたが、良い面もあります。
それは、様々な職場を経験できることです。
今の時代ほとんどの業界の会社でIT部門を持っているので、様々な業界に常駐する機会があります。
いろんな業界の人間と関わりが持てるので、いろんな人と接したい人にとっては良い環境と言えるでしょう。
オススメのシステムエンジニアの会社
それでは次にオススメのシステムエンジニアの会社についてお話しします。
ズバリ以下のような会社がオススメです。それぞれ具体的な会社名も出しますね。
- 親会社が金融系ではないユーザー系システムエンジニアの会社
- 自社サービス・商品を持っているシステムエンジニアの会社
親会社が金融系ではないユーザー系システムエンジニアの会社
親会社が金融系ではないユーザー系システムエンジニアの会社は、一次受けのシステム開発が多く、研修制度や福利厚生がしっかりしているのでオススメです。
具体的には下記の会社です。
- NTTデータ
- 電通国際情報サービス
ちなみに「金融系ではない」とあえて言っているので、金融系はあまりオススメではないということです。
理由は、金融系システムエンジニア会社は親会社の銀行などと体質が似ており、お堅すぎるからです。
- まったく意味のない定例会が多い
- システム障害が発生したらどんな小さい障害でも大騒ぎ
- システムを納品するときにやたらチェックが多い
上記のように「本当に意味があるのか?」と思うめんどくさい作業にコストをかけています。
※もちろん全ての金融系システムエンジニア会社が該当するわけではありませんが・・・
また、金融系に多い年功序列の組織体制なので、風通しがよくないです。
そのため、ユーザー系でも親会社が金融系はオススメできません。
自社サービス・商品を持っているシステムエンジニアの会社
自社サービス・商品を持っているシステムエンジニアの会社は、ユーザー系、メーカー系、独立系関わらずオススメです。
システムエンジニアの会社の仕事のほとんどは、お客さんに要望を満たすシステムを開発することです。
そのため、お客さんの要望、予算に縛られた形で、システムを開発することになるので、最新技術にチャレンジしたり、より良い機能を追加したりすることが難しいです。
しかし、自社サービス・商品を持っている場合は、少し仕事内容が異なります。自社サービス・商品を売り込んでお客さんに買ってもらい、使ってもらうようなイメージです。
自社サービス・商品であれば、お客さん側ではなくシステムエンジニアの会社側で値段設定をしたり、最新技術を使ったり、より良い機能を追加したりすることができます。
やはり、受動的なシステム開発よりも能動的なシステム開発の方が、スキルアップしやすいので、自社サービス・商品を持っているシステムエンジニアの会社をオススメします。
具体的には下記の会社です。括弧内は自社製品名。
- オービック(OBIC7)
- NECソリューションイノベータ(NEC 働き方改革支援ソリューション)
最後に
今回は、システムエンジニア会社選びに悩んでいる人向けに、現役システムエンジニアの私が、システムエンジニアの会社の選び方について解説しました。
絶対に選んではいけない会社は「自社サービス・製品を持っていない独立系」
オススメの会社は「親会社が金融系ではないユーザー系」「自社サービス・商品を持っている会社」
が結論でした。
これであなたもどういったシステムエンジニアの会社に行くべきか方向性が決まったのではないでしょうか。
もし転職でシステムエンジニアの会社を受けようと持っている人は、転職エージェントに登録するのをオススメします。優良企業は求人が非公開の場合が多いので転職エージェントに紹介してもらう必要があるからです。
下記はシステムエンジニアに強い転職エージェントについて書いた記事です。どうぞご覧ください。
以上です。